No.13 「ケースメソッドの受講者に年齢制限はあるか」

ケースメソッドのある研究集会で「受講生に年齢制限はあるか」と質問を受けた。

その趣旨は、KBSの場合は社会人経験のあるMBA学生がほとんどであるが、仮に学部でケースメソッド授業をするとなると、受講生は社会人経験がないことになる。

私は次のように答えた。「大学3年生の場合、仮にKBSケースを使うとすると、ケースに書かれている文章を読むことはできるけれど、社会経験がないために、ケースに描かれているビジネス状況を学生の経験に照らし合わせて理解することが難しいです。これは年齢と言う意味よりも、ある程度のビジネス経験を事前に持っているかどうかによる条件と考えた方がよいかもしれません。いずれにしても経験を積んでいるかどうかの違いがケースを読むことにおいて制約になるのは必然的です。何をするにおいても、前提となる知識や経験はあります。こうした条件があるので、ケースメソッドの場合、ケースで扱っている内容が読み取れる一定の年齢より上であることが必要だと思う。

一方、年齢の上限は特になく、自身の教室で60代の受講生がいることはめずらしくありません。20代、30代の受講生が自分の親よりも上の年齢の人と、同じ教材について議論するのは非常によい経験になります。彼らにとって60代の人の発言は新鮮だし、60代の人にとっても若い学生の発想に触れることで大きな発見があります。海外からの留学生がいる場合も同様の効果があると思います。」