
日頃からあまり観光旅行をすることは少ないのだが、ここ数年でサービス科学の進展と接することが出てきて、観光ビジネスのあり方にも目を向けるようになった。ハワイのオアフ島ホノルルにある世界でも有数の観光地、ワイキキに3泊する機会があり、いわゆる観光地を歩き、お店に入り、ここがワイキキだあ、という時を過ごした。
経営を研究する者の眼にとって非常に奇異に感じたことが3つある。先ず第一に、アメリカと言う国の都市部、例えばニューヨーク市(観光の中心としていうならタイムズスクエア)と比較すると、ホノルル市のワイキキ地区(ここが観光の中心)では、制服の警官を見ることが非常に少ない。ワイキキでは、推測だが、警官をそれほど必要とする程には危険ではないのか、あるいは私服の警官が要所要所にいるのだろうか。と、いぶかるほどに制服警官がすくない。第二に、特定の会社名称をあげて恐縮だが、ABCストアがやたらと多い。ワイキキの中央街にあるすべてのホテル、ビル、の一階に店が入っているのではないかと思う程の多さ。と同時に、同種の店の数(つまり競合店)があまりにも少ない。ホテルと言う業界を見れば、ワイキキ地区には高級ホテルから並のレベルまでさまざまあるのに、どうしてコンビニエンスストア業界ではABCが圧倒しているのか。第三に、日本がバブル不況になった頃、ワイキキの観光客が減り経済が衰退した時期があったそうだ。その後、復活して今の観光活性となっているときいた。一つの地域(多数の利害競合企業が棲息する場という意味)の観光業界を景気の変動に左右されないような仕組みとして成り立たせる何かがあるのか。
こう考えてくると、ワイキキ地区の観光産業整備において何がカギとなって実行されているのかをよく考える価値が出てくる。話しがすこし跳ぶが、地元政府(ハワイ州やホノルル市)が中心となって観光産業の活性化案を出して今の状態にもってきたとはとても思えない。これはいわゆるトップダウン方式である。逆に仮説としてもてるのはワイキキの観光に関するステークホルダーたち(地元政府だけでなく、もちろん警察も入れ、州内外国内外の観光業者、ホテル業者、上に上げたABCのような流通業者、そしてアンダーグラウンドで力を持つ集団、などなど)がボトムアップで相互の利益の最適化(最大化ではないかもしれない)を行っているのかもしれない。次の機会にワイキキを訪れたら、何か調査をしてみようとおもう。